透明標本を作ってみた(失敗編)

今回は透明標本の作製にチャレンジです。
準備はこちら
透明標本の基礎知識・準備

なかなか難しいらしいので
出来たらラッキーぐらいの気持ちで挑戦。

まずサンプルを調達しなければいけません。
小さい魚か爬虫類がオススメです。

とは言っても外で捕まえてきて
このために殺すのもかわいそうなので
スーパーに小魚が売ってないだろうか…


というわけでこちらのアジ。
いやさすがにデカすぎるw
5cmぐらいの魚がよかったんだが10cm以上ある。
といってもこれ以上小さいとなると
シラスぐらいしかないので試しにこれでやってみることに。
(まぁ無理だろう…w)


まず10倍希釈したホルマリンに漬けます。
これによりタンパク質が固定されます。

ホルマリン原液だと濃いので10倍希釈して使います。
発癌性があるので蒸気を吸ってはいけないし
容器には必ず蓋をします。
タンパク質と反応するので手につくとヤバい。
具体的にどうなるかは知らんけどヤバいということは分かる。

固定があまいと後のステップで標本がバラバラ死体になってしまいます。
といっても何日漬けるのかわからん。
適当に3日漬けることに。

が、ここでハプニングが発生。
容器の底にヒビが入っており
ホルマリンが漏れました。
最悪です。発癌不可避。
とりあえずめっちゃ喚起。
まぁ薄いから大丈夫だろう(と思いたい)

こぼれたホルマリンをティッシュで拭くわけだが
コイツをゴミ箱に捨てたらそこから揮発して大変である。
では洗ってから捨てるか?
いや、ホルマリンは環境汚染物質なので水道に流してはいけない。
ならばどうするかというと、次亜塩素酸ナトリウムで
ホルマリンを酸化させる必要があるのです。

次亜塩素酸ナトリウムはピューラックスを使用。
過剰量加えて反応を待ちます。
ホルマリンがギ酸を経て二酸化炭素まで分解されます。

↑二酸化炭素の泡が発生中。
ちなみにティッシュもドロドロに溶けました。
次亜塩素酸ナトリウムこわい(だがコイツ劇物ではない)
念のため一晩置いてから流しました。
薬品を扱うにはこういった廃液処理の知識も必要です。
廃棄できない薬品を買うのはやめましょう。

さて、ホルマリンに3日漬けた後は水に1日漬けて
ホルマリンを除去します。
もちろんこの廃液も次亜塩素酸ナトリウムで処理。
この後、サンプルの皮を剥いで内臓を取りました。
(ほんとはホルマリンに漬ける前にやるらしいけど忘れてたw)

皮を剥ぐと透明化しやすいけれど
サンプルがボロボロになる可能性もあります。
内臓は取らないと最後まで残ります。
内臓ありの標本もそれはそれでアリなのでお好みで。

次は体内の液をエタノールに置換します。
いきなり100%エタノールに漬けるとまずいらしいので
50%に1日、80%に一日漬けた後
無水エタノールに漬けました。


次はサンプルを青く染めます。
アルシアンブルー液という染色液を使います。

アルシアンブルーは酸性でよく染まり、
水があるとうまく染まりません。
だからサンプルをエタノールで脱水したのです。

エタノールと氷酢酸を7:3で混ぜて、
水を含まない酸性溶液を作ります。
ここにアルシアンブルーを1%ほど加えます。
この液にサンプルを1日漬けます。
手も染まるので注意。


ここでまたしてもハプニングが。
氷酢酸でメスシリンダー(メタクリルスチレン製)が溶けました。
溶けるなんて知らんかった…最悪や…
計量はガラス容器でやりましょう。


染色液に1日漬けた後の様子がこちら。
こんなに青ざめちゃって…
あまり漬けすぎると酸で骨が溶けるらしい。
酸を中和するためにホウ砂(四ホウ酸ナトリウム)の
飽和溶液に1日漬けました。


さてここからが最難関。
肉を溶かして透明にします。
透明になるまで溶かさないといけないが
やりすぎるとバラバラ死体になるらしい。
なにそのムリゲー。

透明化にはタンパク質分解酵素トリプシンを使うらしい。
しかし入手困難な上に劣化しやすいので
代わりに水酸化ナトリウムを使います。
もちろんトリプシンでやったほうが
上手くいくんだろうけど、しょうがない。
水酸化ナトリウムにも肉を溶かす作用があるので
これでどこまでいけるかチャレンジ。


1週間ぐらい漬けたらちょっと透けてきたが
なかなかこれ以上透明にならない。
やはり難しいか…サンプルもデカすぎるししょうがない。


ある程度透明になったらアリザリンレッドSで
骨を赤く染めます。
1%水酸化ナトリウム溶液にアリザリンレッドSを
1%ほど添加した染色液に漬けました。
が、なかなか染まってる気がしないので(実は染まってたらしい)
アリザリンレッドSを適当にマシマシにしたところ…

やべ、染めすぎた…
赤どころか黒ですよコレ。
やっちまったよコレ。

しばらく水酸化ナトリウム水溶液に漬けておくと
色が抜けるらしいので漬けておくことに…。

さて一方でこちら。

これはさっきのとは別のサンプルで、
青く染めた後に水酸化ナトリウムではなく
次亜塩素酸ナトリウム水溶液で透明化しようとしたものです。
2%溶液だというのにめちゃくちゃ溶けます。
水酸化ナトリウムより強力ですねこれは。
次亜塩素酸ナトリウムこわい(だが劇物ではry

1時間ほどでヒレが全部溶けてしまいアウト。
持ち上げたら目玉がポロリと落ちるグロ展開に。
1%じゃ濃すぎたか、ダメだこりゃ…


というわけで失敗。
上の二匹は次亜塩素酸ナトリウムで溶かしたもの。
結構透明にはなったものの、全体的にボロボロすぎて
美しくない、というかグロい。
下の三匹はアリザリンレッドSで染めすぎたため
透明にならず真っ黒なままです。
もう諦めました。

やはり難しいので一発ではうまくいかない。
でも惜しいところまできています。
若干透明にはなっていますからね。

というわけで、次回リベンジ編をお届けします。
透明標本作ってみた(成功編)

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おーたむ

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みくあす管理人プロフィール
映える化学実験を求めてMyラボで遊んでる人。毒劇物取扱者及び危険物取扱者(甲種)の資格所持者。

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