特別編:化学ってどんなことを学ぶの?[下編]

皆さんこんにちは.キムワイパーです.

今回はラストで物理化学と化学工学についてです.まだ上編中編をご覧になっていない方はそちらを見ていただけるとよい話が入ってきやすくなると思います.なお本記事は私の独断と偏見と経験からきているものなので100%正しいものではありませんし分野によっては情報量に差が生まれるかもしれません.ご了承ください.

6.物理化学(Physical Chemistry)

物理化学についてです.名前からして物理と化学がくっついたものであることが分かります.名前から人を寄せ付けないような分野です.(物理が苦手という人が多いので…) 物理化学は化学反応や反応状態を定量的に説明する学問です.「化学反応に物理は関係ないじゃないか」と思われる方がいると思います.化学反応というのは分子の運動と化学結合の組み換えによって起こります.分子運動には物理の力学でモデル化しますし,化学結合も物質の熱力学的エネルギー状態からモデル化します.そのため化学を理解する上で物理が必要になり,その橋渡しをしているのが物理化学というわけです.大学や教科書などでは気体の状態や原子の構造などを学んだあと具体的な反応や理論について学習するのが多数派なのではないかと思います.しかし物理化学学び方の順番に幅を持たせることができるのではないかと思います.学習に関しては覚えることは少ないですが,理解が大変です.数学と同じく手を動かさないとできるようにはならないものだと思います.

そんな物理化学ですが,産業的にも非常に重要な役割を担っています.物理化学を学ぶことによって物質を合成したときの収量や合成速度を求めることができます.必要な製品を効率よく,大量に生産するのに欠かせない知識です.また分析化学と異なって,実験後よりも実験前が重要になっています.前述の通り,反応条件を設定する必要があるためです.(分析化学は実験後の解析が重要) 万物の基礎が物理ということはあながち間違いではないですね.

(注)物理化学は深く学習すると量子化学電気化学などが登場します.

7.化学工学(Chemical Engineering)

最後に化学工学についてです.どんなことをやっているのか名前だけで想像できる人は少ないかと思います.私もそうでした.化学工学は大規模な反応を行うときのプラント設計などを学ぶ分野です.例えば酸素の発生実験で二酸化マンガンと過酸化水素を用いると思います.これの反応物や触媒を増やしてプラント内で反応させれば大量の酸素が得られる… 訳ありません.反応の規模が大きくなる分,実験室で行うような反応ではうまく反応が進行しなかったり,不純物が混じるなどして目的物が得られなくなります.

化学工学は産業的において最も重要です.私たちの手元に来る製品というのは1つ1つ作っているわけではなく,大規模に大量に作られています.化学工学がなければそれは実現できないため,非常に重要な役割を担っているといってよいでしょう.

(注)化学工学は深く学習すると安全工学や粉塵工学などが登場します.

8.最後に

以上で化学の基礎をなす領域の解説を終わりたいと思います.ひとくちに化学といっても生物から機械系の分野まで様々な領域があります.そんな化学を日常生活でふんだんに使っており,化学とともに生活しています.化学に興味がある人はもっと化学を好きに,興味がない人は楽しそうだとおもっていただけたら嬉しい限りです.拙い文章でありましたが読んでいただきありがとうございました.次回は麻薬特集に戻ろうかなと思います.

それでは

キムワイパー

The following two tabs change content below.
キムワイパー

キムワイパー

主に新聞部で自然科学のことや空想科学についての投稿を行っています. 化学と物理が好きです. 稚拙な文章ですが応援よろしくお願いします.

関連記事

  1. 第5回えざおの毒コレクション【メタンフェタミン(覚醒剤)】

  2. 火薬の作り方【火薬爆薬講座①】

  3. 第6回えざおの毒コレクション【G-ストロファンチン】

  4. キムワイパーの化合物解説「MDMA」

  5. 第2回えざおの毒コレクション【タリウム】

  6. 第1回えざおの毒コレクション【コノトキシン】

  7. 学校では教えてくれない「ダメ。ゼッタイ。」の理由〜麻薬及び向精神薬につ…

  8. 自宅ラボにおける通報回避術