皆さんこんにちは.キムワイパーです.
前回から行っている具体的な麻薬の種類を紹介していこうと思います.第2回目はMDMAについてです.麻薬の概論で書いたことを前提としていますので,もし読まれていなければ1度目を通していただけるとより理解できるかもしれません.
1.概要
MDMAの正式名称はメチレンジオキシメタンフェタミン(MethyleneDioxyMethamphetamine)です.MDMAはLSDと同様に麻薬に指定されています.しかしLSDとは異なり,娯楽的な薬物としての側面を持っていました.そのため容易に入手することができ,世界中で一般人に流通してしまい,中毒者が多発してしまいました.今でも一番身近な麻薬といえるでしょう.恐ろしいです…
2.構造と症状
MDMAは次のような構造です.
構造中にベンゼン環を有しており,向精神薬のアンフェタミンに類似した構造を持ちます.これらは血液脳関門(神経伝達物質の制御を行う機構)を突破し,神経伝達物質の分泌に影響を与えてしまいます.LSDとは異なり,人間の神経伝達物質に類似しているから取り込まれるわけではなく,強行突破しています.そうなると人間の神経伝達物質の分泌(特にセロトニン)を過剰に放出します.MDMA自身が有害物質を放出するわけではなく,人間の持っている幸せホルモンを放出させてしまうのです.実際は自分の持っている物質が脳を破壊していくとは思いませんね.
ではMDMAを摂取するとどのような症状が現れてしまうでしょうか?
症状は眠気覚ましや食欲減衰,異常な多幸感が挙げられます.これもLSDとは異なり,感情に対する症状が多く出ます.(LSDは視覚情報が多い) これはMDMAによって分泌される神経伝達物質が感情を制御しているものだからです.これらの症状は摂取から4~6時間継続します.MDMAには強い依存性がありませんが,使用によって得られる快感はほかの麻薬より強いため,依存状態に陥る人が多いのです.よく「すぐに辞められる」といって誘惑してくる例を勉強した人も多いのではないでしょうか.これはMDMAの依存性が少ないだけでそれによって得られる快感はやめられないというわけです.つまり本質的に間違ったことを言っているわけではないんですね.なんだか屁理屈のように感じます.
3.歴史
MDMAは1912年にドイツの化学メーカーによって血液の抗凝集薬の開発過程で発見されました.しかし,当時は麻薬としてではなく,別の薬として特許を得ていいたといわれています.そこからしばらくは世界的にMDMAに対する関心は高くありませんでした.しかし,そのような時代が終わりを告げます.1960年から1970年代にかけてMDMAが覚醒剤と同様な症状が出ることが発見されました.それを受けてうつ病などの精神疾患の治療薬として開発されていきましたが,その強い快感から一般人の間にも広まて行ってしまいました.そのため麻薬として指定されて,現在では厳しく取り締まりが行われています.なおMDMAを製薬として承認している国はほとんどありません.
4.終わりに
以上でMDMAの紹介を終わります.いかがだったでしょうか.少しでも麻薬に対する知識とそれを使わないようにする理由が分かってもらえたら幸いです.次回も麻薬特集を書いていきます.
それでは
キムワイパー

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