キムワイパーの化合物解説「RicinとLysine」

皆さんこんにちは.キムワイパーです.

皆さんはリシンという化合物をご存じでしょうか? 私は毒物のリシンから知りました.しかし,必須アミノ酸にもリシンがあり,

「人体にも猛毒物質が含まれているんだなあ」

と思っていました.そこで今回は2つのリシンについて紹介していこうと思います.

1.Ricin(毒物としてのリシン)

まずは毒物のリシン(Ricin)についてです.

Ricinはトウゴマという植物の種子に含まれているタンパク質です.生物兵器と化学兵器の中間の性質のため,いわゆる毒素兵器と呼ばれるものに分類されています.致死量は0.03 mg / kg であり,化学兵器のノビチョクやVXにも劣らない毒性を持っています.そのため数々の暗殺や事件に使われました.Ricinは生体中でタンパク質合成を阻害し,生命維持活動を停止させることで死に至らせます.しかしエアロゾルで肺から入るor血管などに直接注入されないとこの毒性は発揮されません.それ故に兵器として用いるには十分な性能を持っていないといえます.(どんな兵器であれ使われないことを願います.)

また,トウゴマは比較的簡単に手に入りますが,そこからRicinを抽出して精製することは難しいことです.そのため一般人が高純度リシンを作れることはほぼありません.というか捕まるので絶対に作らないでください.そして抽出できないのであればそのままトウゴマを食べようとするわけです.するとトウゴマ中のRicin以外の成分によって,下痢や腹痛などの消化器官へのダメージを負うことになります.くれぐれも食べないでくださいね

fig1 Ricin の構造

2.Lysine(アミノ酸としてのリシン)

次にアミノ酸のリシン(Lysine)についてです.

Lysineはα-アミノ酸の一つで,アミノ基を2つもつ塩基性アミノ酸です.略号はLys or K が用いられています.ほとんどすべてのタンパク質中に含まれており,生体での合成ができないことから必須アミノ酸に分類されています.WHOによると成人向けの1日当たりの摂取量は2.1 gとされています.(Ricinだったらとっくに致死量ですね…)  Lysineの具体的な反応などは生物化学系の本を読んでみてください.

 

   

            fig2 Lysineの構造式          fig3 Lysineの3Dモデリング

最後まで読んでいただきありがとうございました.次回からは麻薬特集をやっていこうと思います.

それでは.

キムワイパー

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主に新聞部で自然科学のことや空想科学についての投稿を行っています. 化学と物理が好きです. 稚拙な文章ですが応援よろしくお願いします.

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