【ガチ】濃硫酸が目に入りました。目はどうなるのか?

どうも、おーたむです。
先日、濃硫酸が目に入るという人生最大の薬品事故をやらかしました。
今回はその時の実録記事です。

濃硫酸といえば紙や砂糖を炭化してしまうほどの強力な脱水作用と強酸性という2つの危険な性質を持つ、危険な薬品の代表格です。
そのため取扱時は手袋と保護メガネを必ず着用し、身を守らなければなりません。
そんな濃硫酸が実際目に入った場合どうなるのか、僕の体験レポートを書いていきます。

時刻は19時過ぎ頃、濃硫酸の入ったビーカーを持ち上げた時にその事故は起こりました。
保護メガネが顔から脱落し、それが持っていたビーカーに直撃してビーカーが落ちてしまい、中に入っていた濃硫酸が飛び散って僕の左目に入るというミラクルコンボが起こりました。
最大の過ちは、ビーカーの真上に顔がくるような感じでビーカーを上から覗き込むような姿勢で持っていたことです。
保護メガネしているからといってこんな持ち方してはいけません。

はねた硫酸が目に入ると瞬時に激痛。
急いでホースの繋がっている蛇口から水を出して左目を洗浄しました。
これは失明するかもしれないと思いながらも、なんとかなることを信じて目を洗浄し続けました。
幸い、水道のすぐ近くで作業していたのですぐに目を洗うことができました。
「薬品が目に入った時は10分以上目を洗浄する」というのを覚えていたので、やりすぎだろうというぐらい目を洗いました。

目を洗うとすぐに痛みはなくなりました。目を開けてみると、視界が白く霞んでいるものの失明は免れたようでとりあえず少し安心しました。
まぶたが熱くなっているので氷で冷やし続けました。
鏡で確認してみるとまぶたが腫れていて、かなり充血していました。
常に涙が滲んてきて、それにつられて左の鼻から鼻水が止まらなくなりました。

しかし痛みはなく、目を開けることもできます。
視界は霧がかかったように白く霞んでいるものの一応遠くまで見えます。
充血はそのうち治るので構わないものの、この白く霞んだ視界が治るのかという不安がありました。

冷やすのをやめるとじわじわと熱くなってくるので何度か氷で冷やしながら、この後どうするか考えました。
時刻はもうすぐ20時、今から病院に向かっても間に合いません。
一応目は見えるし大丈夫だろうと思い、病院に電話して翌朝診察の予約を取りました。
一晩寝たら少しは良くなっているだろうと信じて寝ることにしました。

翌朝、左目を開けようとすると激痛が走り、瞬時にこれはヤバいと感じました。
痛すぎて目を開けられないレベルです。
目を閉じて鏡のところに行き、痛みに耐えながら指で目をこじ開けて確認すると、白目が見たことないぐらい充血していました。
もはや白い部分が無く完全に赤く染まっています。
白目ってこんなに赤くなることができるのかというぐらい真っ赤でした。





視界は相当悪化していて、ほとんど真っ白で見えません。
瞬きするたびに、目を動かすたびに激痛が走ります。
じっとしていても時々ズキズキと痛み、常に涙が垂れ流し状態。
明らかに異常であり、かなり焦りました。

右目は正常なので右目で見ればいいのですが、右目が瞬きするたびに左目にも少し力が入ってしまうし、右目を動かすと左目もつられて動いてしまいます。
そのたびに激痛が走ります。
なので右目を開けることもできないのです。

もはや、目を閉じて眼球を動かさずにじっとしているしかありません。
診断の時間まで布団の中で一切動かずただ時が過ぎるのを待ちました。
食事やトイレはなるべく目を開けずに手探りで済ませました。

診察に行くまでの道のりが一番地獄でした。右目を薄く開けてなるべく瞬きしないように、目を動かさず首を動かすようにして左目の激痛に耐えながらなんとか移動しました。

病院でまず麻酔の目薬をさしてもらいました。痛みがすぐに引いて目を開けられるようになりました。
その次に「絆創膏コンタクト」というソフトコンタクトを入れて黒目を保護しました。

診察の結果、1〜2週間かかるものの治るということで、ものすごく安心しました。
この瞬間まで、もう治らないんじゃないかとずっと不安でした。
目の状態の写真を見せてもらいました。角膜という目の一番表面の部分に丸い穴があいて見えます。

先生によると角膜の表面が硫酸に侵されて無くなっているとのこと。
ただし角膜の深部までは到達しておらず、薄くなっているだけなので自然治癒するとのこと。
すぐに水で徹底的に洗浄したのが正しい判断だったと言われました。

今回は酸だったのが不幸中の幸いでした。
アルカリの場合は目を洗った後も角膜がどんどん溶けていくそうです。
なので翌日の診断では完全に手遅れ。
もしアルカリが目に入ったらただちに救急車を呼ぶように言われました。

角膜の表面が薄くなっている状態というのは擦り傷のようなもので、神経が剥き出しになっているのでまぶたと擦れるたびに痛みます。
なので眼球用の絆創膏としてコンタクトを入れたようです。コンタクトのおかげで麻酔が切れた後でも、瞬きしても目を動かしても痛くなくなりました。

痛くないものの、視界は白くて全然見えません。
とはいえ先程と違って右目が使えるようになったので普通に生活ができるようになりました。
涙が出続けることもなくなりました。

痛みはないとはいえあまり眼球を動かすと治るのが遅れそうなので、その日は布団の中で安静にしていました。
たまに眼球がズキズキと痛みます。
抗菌と抗炎症の目薬をもらったのでそれを3時間おきにさしながらその日は終えました。

2日目。
状況は前日と変わらず。
コンタクトのおかげで痛みはないけどかなり充血しています。
まぶたもまだ腫れています。
視界は白くて全然見えません。
目薬をさしながら安静にしました。

3日目。
まぶたの腫れは収まり、充血が少し引きました。
やっと一部分だけ白目が現れました。
視界は前日より良くなっています。
白く霞んでいるものの一応遠くまで見えます。
このぐらい見えていれば生活にほぼ支障はありません。
文字を読むのがつらい程度です。

4日目。
かなり良くなってきました。
まだ充血はしているものの割と白目が戻ってきました。
視界は少しだけぼやけるものの、ほぼ治っている感じがします。
左目で文字を読むこともできます。
どうやら完治しそうな感じなので安心しました。

5日目。
ほぼ治りました。
目を開けた瞬間はぼやけます。
それなりに見えるけど少し視力が落ちたままです。
白目はまだ少しだけ充血しています。
ここで絆創膏コンタクトは外しました。
外しても痛みはありません。

6日目〜14日目。
左目がドライアイになりました。
すぐに目が乾いて見えづらくなります。
目が乾いているせいか、時々痛みます。
左右で視力が違うせいで眼精疲労由来と思われる頭痛がひどいです。
生活はできるけどつらい。
これまでは日を追うごとに良くなっている感じがありましたが、この辺りからは良くなるわけでもなく前日と同じ状態が続きました。
2週間経ったけど完治はしてない模様…
それともこれ以上治らないのか?という不安も。

15日目〜21日目。
とりあえずドライアイ用の目薬をさすことで頭痛はなくなりました。
日を追うごとに少しずつ目が乾きづらくなっていきました。
乾きによる視力低下も収まって、事故から3週間あたりで完治しました。
視力は完全に元に戻りました。
本当に良かった。
もうこんな目には遭いたくありません。
より一層薬品の取り扱いには気をつけることにします。
みなさんも気をつけてください。
それでは。

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おーたむ

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みくあす管理人プロフィール
映える化学実験を求めてMyラボで遊んでる人。毒劇物取扱者及び危険物取扱者(甲種)の資格所持者。

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