【貴重動画】黄リンの自然発火

記事:おーたむ
撮影協力:GENKI LABO

今回はとても貴重な実験動画である黄リンの自然発火をお届けします。
黄リンは医薬用外毒物であり、数十mg体内に入るだけで死に至る恐ろしい猛毒です。
そして空気中では酸素と反応して常温で自然発火してしまうというやっかいな物質です。
そのため水中に保管されています。

黄リンは現在ではほとんど流通しておらずなかなか手に入らない貴重な試薬です。
個人では手に入れることが非常に難しいのですが、今回はGENKI LABO市岡元気先生のご協力のもと、黄リンの自然発火をカメラに収めることができたのでその実験動画をお届けします。
とても貴重な映像ですよ!

こちらが黄リンです。
ベンゼンや二硫化炭素に溶かして使います。

試薬瓶は水で満たされています。
見た目や硬さはロウに似ています。
ガチガチに固まっていて取り出すのが大変でした。

手袋するべきか迷いました。
猛毒なのでそりゃ手袋したほうがいいですが、もし手袋について発火して手袋ごと燃えたら大惨事です。
Youtubeで黄リンを扱っている人の動画を見たところ素手でやっていたので素手で扱うことにしました。
大丈夫なのか???怖すぎる…

取り出した黄リン。
あれ?意外と発火しないじゃん、といった感じでした。
これなら手袋してもよかったかも?
ただ、常に白煙が出ています。

暗くしてみると…
光っている!?

これが燐光と呼ばれるリンの光ですね。
(現在は燐光は別の意味で使われています)
水中にある状態では光っていないのですが、空気中に出すとこのようにうっすらと光っています。
しばらく置いておくと自らの熱で融解してしまいます。
(黄リンの融点は約44℃)
固体の状態だと発火しないようですが、液体になると時々バチっと発火するのでビビります。

さて、いよいよ黄リンを自然発火させてみましょう。
どうやらベンゼンや二硫化炭素に溶かして紙に浸して放置すると自然発火するとのこと。

二硫化炭素も毒性が高いのでなるべく使いたくない…
というわけで初めはベンゼンで試しましたが、黄リンがあんまり溶けない…
頑張って溶かして紙に浸すと、しばらくすると紙が焦げました。
何度かやってみると、大体焦げて終わりで発火せず、10回に1回ぐらい発火しました。
思ったより発火しづらいんだなぁといった印象です。

そこで、仕方がないので二硫化炭素を試すことに。
二硫化炭素に黄リンを溶かしてみると、ベンゼンと違ってめちゃくちゃ溶ける!
簡単に濃い溶液を作ることができました。
そしてこれを紙に浸して数十秒待つと…

見事に発火しました!
二硫化炭素で何度かやってみたところ、ほぼ100%の確率で発火します。
これはすごい!
というわけで、貴重な黄リンの自然発火の映像でした。

元気先生のチャンネルで黄リンを使った実験をやっているのでぜひ見てみてください。
僕は動画に出ていませんが、黄リンの実験をやっているのは僕です。
手だけ映っていますw

今回の元気先生の動画は「るーいのゆっくり科学」さんとのコラボ企画です。
こちらでは、先ほど言った「発火せずに紙が焦げる」様子が動画に使われています。
ぜひこちらもご覧ください。

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おーたむ

おーたむ

みくあす管理人プロフィール
映える化学実験を求めてMyラボで遊んでる人。毒劇物取扱者及び危険物取扱者(甲種)の資格所持者。

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