[第19回おうちラボで実験してみた]遷移金属錯体テトラアンミン銅(Ⅱ)硫酸塩を合成してみた。

〈実験〉錯体化学・無機合成化学

みなさんこんにちは。
以前ニッケル錯体、鉄錯体を合成しましたが今回は銅です。高校化学の無機化学分野では金属の沈殿反応や溶液の色を覚えさせられますが無色、白色、黒色、褐色など味気ないものが続く中で一際目立って鮮やかな色を呈していたのが銅です。そして今回合成するのがそのアンミン錯体であるテトラアンミン銅(Ⅱ)硫酸塩です。アンモニアが正方形になるよう4つ(tetra)配位しています。水和物として生成するので水も配位します。

合成の反応式は以下です。
Cu²⁺+4NH₃+SO₄²⁻→[Cu(NH₃)₄]SO₄
「銅(Ⅱ)イオンに過剰のアンモニア水を加える」と深青色溶液になるあれです。少量だと水酸化銅(Ⅱ)の青白色沈殿が生じますが過剰量だと錯体を形成して溶液になります。また有機化学の分野でもセルロースを溶かす「シュバイツァー試薬」として登場します(第6回実験記事参照)。アルデヒドの還元性を確かめるフェーリング液は銅の酒石酸錯体ですが同じように綺麗な深青色をしています(第9回実験記事参照)。

●実験
※注意
濃アンモニア水は皮膚粘膜刺激性・腐食性を有します。硫酸銅(Ⅱ)五水和物は皮膚粘膜刺激性有する重金属塩です。エタノールは麻酔性と引火性を有します。いずれの試薬も薬傷、失明の危険性があり、重篤な事故につながる恐れがあります。安易な真似は控えてください。実験者は白衣、保護眼鏡、手袋を着用し、必要に応じて局所排気設備を使用しています。

~材料~
・硫酸銅(Ⅱ)五水和物
・濃アンモニア水
・エタノール

~器具・装置~
・適当容量ビーカー
・駒込ピペット
・メスシリンダー
・マグネチックスターラー
・氷浴
・吸引ろ過器
・水流式アスピレーター

①硫酸銅(Ⅱ)五水和物20gを水20mlに溶かす。

②濃アンモニア水30mlを加える。

③エタノール25mlを加えて晶析させる。

④氷浴で冷却する。

⑤吸引ろ過で結晶を回収する。

⑥テトラアンミン銅(Ⅱ)硫酸塩が得られた。

引き込まれるような美しい青色の錯体が得られました。今回合成した錯体は割と空気中で不安定で湿度の高い中で二酸化炭素と反応して炭酸銅を作ってしまうらしいので保管の際は密閉するかアンモニアガスと共に封入した方が良さそうです。それでは次回の実験までさよなラジカル。

えざお

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えざお

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記事執筆担当 アングラ化学部 バイオ部プロフィール
化学部・バイオ部のおうちラボケミスト兼バイオハッカー見習い。まだまだ勉強中の青二才。一応環境分析化学専攻だったりする。有機化学が好き。自信は無いのでどうかお手柔らかに!

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