【違法】頭痛薬から爆薬を作る方法

身近なものから危険なものを作ることができてしまうのが化学。
ロマンがあると思わんかね。

というわけで今回は頭痛薬から爆薬を作る方法を紹介しよう。
といっても爆薬なんて実際に作ったら捕まるので実践してはいけない。
今回紹介する「ピクリン酸」はマジモンの爆薬であり、所持しているだけで違法である。
実際作れるかといえば、まぁそれなりに難しいので作る人はいないと信じて話を続けることにしよう。

さて、先ほど紹介したように今回の目的物質は「ピクリン酸」という物質。
この物質は日露戦争において日本軍が用いた下瀬火薬の主成分だ。
構造は以下の通り。

フェノールという物質にニトロ基(NO2)が3つ付いた構造をしている。
ちなみにフェノールの構造はこちら。

今回紹介する合成ルートは以下の通り。
頭痛薬→サリチル酸→フェノール→ピクリン酸
では順番に解説していこう。

まず原料の頭痛薬は、名前を出すと怒られそうだが有名なアレだ。
バ○○○ンだ。
これの主成分はアセチルサリチル酸という物質で、このような構造をしている。

ピクリン酸とは似ても似つかない構造をしているが、コイツを色々とこねくりまわすと爆薬が完成するのだからなんともロマンが溢れている。
まず最初のステップだが、この頭痛薬からエタノールを使って主成分のアセチルサリチル酸を抽出しよう。
残りの半分の成分は「優しさ」らしい。(これ言ったらバレるだろ)
アセチルサリチル酸はエタノールに溶けるが「優しさ」は溶けない。
というわけでアセチルサリチル酸が得られたら次はこれを「加水分解」する。
アセチルサリチル酸は(無水)酢酸とサリチル酸が合体してできている物質なのでこれを分解して元の酢酸とサリチル酸に戻してやるわけだ。

やり方としては、水酸化ナトリウム水溶液にブチ込んでグツグツ煮れば分解される。
分解生成物の酢酸もサリチル酸も酸なので、アルカリである水酸化ナトリウムと反応して塩になっている。
そこで、ここに塩酸を加えると弱酸遊離反応により酢酸とサリチル酸ができる。
酢酸は水に溶けるがサリチル酸は水に溶けない白色粉末なので沈殿してくる。
これを回収してサリチル酸の完成だ。
次はこのサリチル酸を直火でめちゃめちゃ加熱してやると、脱炭酸という反応が起きる。

二酸化炭素が抜けるから脱炭酸。
これによりフェノールが生成する。
さぁ、ピクリン酸の原料であるフェノールが生成したぞ。
フェノールはめちゃくちゃ臭いシャーベット状の固体で、お湯で温めると液体になる。
沸点が182℃なのでサリチル酸を強熱すると気体として発生し、それを冷却してやると液体→固体として得られる。
マジで臭いのでやらない方がいい。
ちなみに俺はやったことがある。(フェノールまでなら爆薬ではないので作っても合法)
器具が全て臭くなり、洗っても干してもなかなか取れない。
直接触ってないはずなのに手も臭くなっていた。
最悪である。

さて、フェノールが完成したらこれをニトロ化すればピクリン酸の完成である。
ニトロ化といえば、混酸(濃硫酸と濃硝酸)との反応が一般的だが、フェノールの場合はいきなり混酸を反応させると別の反応(フェノールの酸化)が起きてゴミがたくさんできてしまう。
なのでまず濃硫酸だけを加えて加熱し、スルホフェノールにしてから濃硝酸を加える。
そうすると猛毒の茶色いガスをモクモクと出しながら反応が進む。

ニトロ基がどんどんくっついていき、最終的にはスルホ基も外れてニトロ基が3つ付く。
これでピクリン酸の完成だ。

というわけで、頭痛薬から爆薬が作れることがお分かりいただけただろう。
何度も言うが違法なので絶対にやってはいけない。
ところで今回はわざわざこんな回りくどい方法を紹介したのだが、実はアセチルサリチル酸から直接ピクリン酸を作る方法もある。
その方法でやると簡単すぎるので流石に言えない。
実際にやってみるバカが現れると困るのでね。
それでは。

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