【レベル別】自宅化学実験マニュアル

記事:おーたむ

今回は「自分も家で化学実験をやってみたい」という声にお答えして、自宅でできる実験をレベル別に紹介していきます。
自宅で化学実験を行うには色々な制約があります。
それを理解するまではやってはいけません。
ではまず、どんな制約があるのかを見ていきましょう。

【試薬の入手】
個人の場合は、そう簡単に試薬を購入することができません。
なので、試薬以外のもので代用したり、自分で合成するなどの工夫が必要になってきます。
どんな薬品なら手に入れることができるのか、情報を集めていく必要があります。

【薬品の所持】
薬品の中には、持っているだけで違法なものがあります。
当然買うことはできませんが、知らずに作ってしまうのもアウトです。
所持が違法な薬品としては主に
・爆発性のある物質
・麻薬・麻酔性のある物質
が挙げられます。
こういったものに手を出すのはやめましょう。
参考→火薬・爆薬に関する法律

また、18歳未満は毒劇物を所持できません。
これも気をつけましょう。
18歳以上であれば所持、合成、使用が可能です。
これには免許や資格はいりません。
ただし、毒劇物の譲渡や販売は届出をしていないと違法になります。
無許可で人にあげたりネットで売ったりすると捕まります。
詳しくはこちらを参照
毒劇物の購入、所持について(毒劇物取締法)

【事故の対策】
薬品の中には、人体に対して非常に危険なものがあります。
どういった性質があるのか、どうすれば安全に取り扱うことができるのかといった知識がない状態で安易に実験を行うと取り返しのつかない事故が起こります。
特に危険な事故の例として
・薬品が目に入る
・引火性物質に火が付く
・高温の液体がかかる
・器具が破裂してガラス片が刺さる
・有毒ガスを吸引する
等が挙げられます。
危険な実験をする場合は事故が起こらないように対策をするのはもちろんのこと、もし事故が起きた時の対策も必須です。
ちなみに筆者は硫酸が目に入ったことがあります。
【ガチ】濃硫酸が目に入りました。目はどうなるのか?

腐食性のある薬品が目に入ると最悪失明します。
危険な薬品が飛び散るような実験はやらないようにするのはもちろんのこと、もし飛び散った時のために保護メガネを必ず着用すること、目に入ってしまった時のためにすぐに目を洗えるように準備をしておく等の対策を取りましょう。

引火性のある物質に火が付くと最悪火事になります。
引火性物質を扱う際に火を扱わないこと、燃やす場合は大量に燃やさないこと、まわりに引火するものを置かないこと、燃えやすい服を着ないこと、服に引火した時のためにシャワーの準備をすること、消火の準備をしておくこと(水・砂・消火器等)等の対策を取りましょう。

化学実験ではガラス器具を多く用います。
割れたガラスは危険です。特に実験中に器具が破裂した際には多数のガラス片が勢いよく体に刺さるため非常に危険です。
ガラス器具が破裂する原因は圧力です。
なんらかの原因で圧力が上がり、その逃げ場がない場合に器具が破裂します。
なので基本的に密閉された器具の中で実験を行ってはいけません。
熱による膨張や、気体の発生等、化学実験では圧力が上がる反応が多くあります。

また、化学実験においては高温の液体を扱うことが多くあります。
沸騰、発熱反応、気体発生等によって高温の液体が飛び散る場合があります。
事故が起こらないように対策するのはもちろんのこと、もし液体やガラス片が飛び散っても大丈夫なように、
素肌の出ない服装で実験を行う、フェイスシールドをする、アクリル板越しに実験をする等の対策を必要に応じてしておきましょう。

化学実験では、有毒ガスが発生する化学反応が多くあります。
有毒な物質でも固体や液体は余程のことがなければ体内に入ることはないですが、ガスは吸引の恐れがあるため特に危険です。
有毒ガスが発生しないようにするのが良いですが、どうしても発生を避けられない場合はなるべく少量で実験をする、換気の良い場所で実験をする必要があります。
特に危険なガスの場合は、局所排気装置(ドラフト)が必要になります。
場合によっては防毒マスクが必要なこともあります。
適切な設備、保護具がない場合は有毒ガスの発生する実験に手を出してはいけません。

ここまで書いてきたように、化学実験には多くの危険があります。
危険なことをやりたがる人もいますがはじめのうちは安全な薬品で実験をして経験を積んでいくことが重要です。
というわけでここでは、薬品の入手難易度と実験の安全性を考慮してレベル別に実験記事を紹介していきます。
レベルの低い実験から挑戦してみてください。
(まだ記事が少ないですが順次追加していきます)

Lv1:身近な物質を用いる実験
砂糖のモンスターを召喚する【自宅ラボLv1】

Lv2:実験キット類を用いる実験
フラッシュコットンを爆発させる【自宅ラボLv2】

Lv3:中学理科レベルの実験
酢酸ナトリウムの合成【自宅ラボLv3】

Lv4:やや危険な薬品を用いる実験
ビスマスを融解させて結晶を作る【自宅ラボLv4】
水色の炎色反応を作る【自宅ラボLv4】
薬品でミカンの薄皮を溶かして食べてみた【自宅ラボLv4】

Lv5:高校化学レベルの化学反応
自宅で出来るヨウ素時計反応【自宅ラボLv5】
安息香酸の合成【自宅ラボLv5】

Lv6:やや本格的な合成実験
【自宅で出来る有機合成】バナナの香りを合成する【自宅ラボLv6】

Lv7:劇物を扱う実験(この先18歳未満禁止)

Lv8:局所排気装置が必要な実験

Lv9:有害物質を扱う危険な実験
緑礬から濃硫酸を作ってみた【自宅ラボLv9】
濃硫酸を作る(硫酸水素カリウムの熱分解)【自宅ラボLv9】
【危険】10%希硫酸を濃縮・蒸留精製してみた【自宅ラボLv9】

Lv10(番外編):入手しづらい薬品・危険な薬品を用いる実験
木材を透明にする【自宅ラボLv10】
【プラスチック合成】尿素樹脂作ってみた【自宅ラボLv10】
【危険】クロム酸イオン溶液を合成する【自宅ラボLv10】

【最後に】
化学実験は世間的には怪しいものとして見られがちです。
法律を守らない人が逮捕されてニュースになるたびに、自宅ラボ勢は生きづらくなっていきます。
そういう自分勝手で迷惑な人がいると法律もどんどん厳しくなって化学を楽しむ自由が奪われていきます。
もしこのサイトの読者が犯罪を犯せばこのサイトも削除しなければならなくなります。
自宅ラボに挑戦するなら必ず法律をしっかり勉強すること。それが出来ないならやらないでください。
よろしくお願いします。

法律を守って実験していても、あらぬ疑いをかけられてしまうこともあります。
そういった面倒なことにならないために、こちらの記事も参考にどうぞ。
自宅ラボにおける通報回避術

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