記事:おーたむ
今回は水酸化クロム(Ⅲ)からクロム酸イオンを合成します。
自宅ラボLv10:入手難易度の高い試薬を用いる実験
劇物である水酸化ナトリウムを用います。
また、融解した水酸化ナトリウムは非常に危険です。
生成するクロム酸溶液は劇物です。
クロム酸は水質汚染物質であり絶対に流してはいけません。
参考→毒劇物の購入、所持について(毒劇物取締法)
参考→【レベル別】自宅化学実験マニュアル
試薬
・水酸化クロム
・水酸化ナトリウム
・硝酸カリウム

原料の水酸化クロムは顔料として販売されています。
これと水酸化ナトリウム、そして硝酸カリウムを混ぜて加熱します。
水酸化ナトリウムが融解すると反応が始まります。

融解した水酸化ナトリウムは超危険。皮膚についたら火傷&薬傷で大変なことになります。目に入ったら失明です。必ず保護メガネをしましょう。というかやらない方が身のためです。
試験管でやっていますが破裂する可能性があります。
ちなみに融解した水酸化ナトリウムはガラスを腐食するので反応後は試験管が曇りガラスになってしまいます。

しばらくグツグツ煮込むと黄色くなってきます。これがクロム酸イオンの色です。三価のクロムが硝酸カリウムによって酸化され、六価になったのです。
放冷後、水に溶かしてろ過したのがこちら。
クロム酸イオンと、その他色々が混ざった溶液です。
これは少量であっても絶対に水道に流してはいけません。
すすいだ後の液も廃液として回収します。
それではクロム酸イオンの反応を見てみましょう。
酸性にするとクロム酸イオンからニクロム酸イオンに変わり黄色から橙色の溶液になります。
鉛イオンを加えると黄色のクロム酸鉛、
銀イオンを加えると赤褐色のクロム酸銀が沈殿します。
廃液は酸性条件下で過酸化水素水を加えます。過酸化水素水が還元剤となりクロムが三価に戻ります。紫色もしくは緑色になったらもう安全です。
同じ三価のクロムイオン溶液でも紫色だったり加熱すると緑色になったりします。

三価のクロムイオン溶液をアルカリ性にすると水酸化クロムが沈殿します。

クロム信号。
左から水酸化クロム、クロム酸鉛、クロム酸銀 。

たむ
