【危険】10%希硫酸を濃縮・蒸留精製してみた【自宅ラボLv9】

記事:おーたむ

硫酸は不揮発性の酸であり、希硫酸を濃縮すると濃硫酸になることは有名ですね。
今回はネットで簡単に購入できる10%希硫酸を濃縮して濃硫酸を作ってみようと思います。
硫酸は10%以下であれば劇物指定から外れるのでネットで普通に買うことができるのです。
参考→毒劇物の購入、所持について(毒劇物取締法)
希硫酸を濃縮すると劇物指定の硫酸になりますが、所持は合法です(18歳未満は禁止)。
ただし、届出せずに譲渡・販売すると違法となります。
その他、悪用すれば当然違法です。
法律は絶対に守ってください。

Lv9:有害物質を扱う危険な実験
硫酸や三酸化硫黄が揮発した有害ガスが発生します。
局所排気設備無しで実験すると危険です。
硫酸は腐食性が高いため取り扱いに注意が必要です。
適切に扱う知識のない人はやってはいけません。
参考→【レベル別】自宅化学実験マニュアル

【実験】
10%希硫酸約300mLをホットプレートで加熱していきます。

濃くなるほど水が揮発しにくくなってかさが減るのに時間がかかります。

だいぶ減ってきました。
10%希硫酸300mLなので約30gの濃硫酸が得られると考えられます。
濃硫酸の密度は1.84g/cm3もあるので30gは約16mLです。
かなり少ないですね。

25mLぐらいになりました。
まだ濃硫酸になっていないですね。
なんか黄ばんでいます。
ゴミでも入って炭化したんですかね。

ここからはホットプレートではキツいので直火でいきます。
不揮発性とはいえ直火で加熱すると流石に硫酸の蒸気が出てくるので危険です。
蒸気は消石灰に吸収させて、なるべく硫酸の蒸気を外に出さないようにしています。
局所排気装置も必須です。

フラスコ内が硫酸の白煙で曇ってきました。
濃硫酸の完成です。
だいぶ黒くなってしまいました。

次に、この濃硫酸を蒸留精製します。
この操作により透き通った濃硫酸が得られると思います。

硫酸を小さいフラスコに移し、このように器具を組みました。
三酸化硫黄や硫酸が揮発してくるので金属やゴム栓は使えません。
全てすりガラスの器具で組む必要があります。

あと、当たり前ですがガスの逃げ場を作っておかないと圧力が上がって爆発します。
なので排気用の塩化カルシウム菅へ分岐させてあります。
出てくるガスは酸性の有害ガスなので塩化カルシウム管に消石灰を入れてトラップしています。
消石灰をギチギチに詰めると圧力が抜けられなくて爆発するので注意です。
ここにゴム栓を使ってますが、酸性ガスは大体消石灰に吸収されると思うのでここはまぁそんなに腐食されないでしょう。
吸収しきらなかったガスが出てきた場合に備えてチューブを局所排気装置のところまで誘導してあります。

濃硫酸は沸点が高いのでバーナーで強熱していきます。
モクモクと禍々しい煙が出てきて回収用フラスコに透き通った硫酸が溜まってきました。
さらに加熱を続けると、すりガラスの隙間から白煙が出てきてしまいました。
排気口が狭くて圧力が上がってしまったのでしょうか。

大変なことになりました。
強制排気しているにもかかわらずとんでもない刺激臭です。
保護メガネをしているので目は大丈夫ですが、鼻と口の中が痛い。
ガスが鼻や口の中で凝縮して硫酸になっているのです。
急いで実験を中止して別の部屋に避難しました。
鼻の中を水で洗浄してなんとかなしました。
口をゆすぐと、水が酸っぱい。
ヤバすぎる…
硫酸の濃縮なんてやらない方が身のためですね。

しばらく換気して刺激臭が収まってから実験を再開。
今度はさっきより穏やかに加熱して蒸留を完了しました。
見てくださいこの透き通った濃硫酸。

まだ若干黄ばんでいますが市販の濃硫酸も完全に無色ではないのでまぁ十分でしょう。

ケッククリップはこのようにドロドロに溶けてしまいました。
金属製のものが無かったのでしょうがない。

最後に、紙に垂らしてみます。

見事に炭化しました。
というわけで希硫酸の濃縮、成功です。
収量は約25gでした。

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