濃硫酸を作る(硫酸水素カリウムの熱分解)【自宅ラボLv9】

記事:おーたむ

今回は、硫酸水素カリウムを熱分解してみようと思います。
どうやら強熱すると水と三酸化硫黄が出てくるようです。
水と三酸化硫黄は反応するので硫酸として出てくると思います。
とはいえ自分の実験設備のレベルで熱分解できるか分からないのでとりあえず挑戦してみます。

Lv9:有害物質を扱う危険な実験
硫酸や三酸化硫黄が揮発した有害ガスが発生します。
局所排気設備無しで実験すると危険です。
また、生成する硫酸は劇物(合成は合法・18歳未満は禁止)であり危険です。
適切に扱う知識のない人はやってはいけません。
参考→【レベル別】自宅化学実験マニュアル

【実験】
硫酸水素カリウム50gをフラスコに入れてとにかく加熱しまくって出てくるものを回収します。
このようなセットアップをしました。

なんだかとんでもない組み方してますが、そもそもこういう用途に使う器具ではないので…

注意点は色々あります。
三酸化硫黄や硫酸が揮発してくるので金属やゴム栓は使えません。
全てすりガラスの器具で組む必要があります。

そして、加熱する試料が固体で、分解で水が発生するので、冷えて流れてきた水が試料部に返ってこないようにしないといけません。
強熱しているところに水が垂れてくると温度差でフラスコが割れるからです。
なのでこんな変な角度でセットしてあるわけです。

あと、当たり前ですがガスの逃げ場を作っておかないと圧力が上がって爆発します。
なので排気用の塩化カルシウム菅へ分岐させてあります。
出てくるガスは酸性の有害ガスなので塩化カルシウム管に消石灰を入れてトラップしています。
消石灰をギチギチに詰めると圧力が抜けられなくて爆発するので注意です。
ここにゴム栓を使ってますが、酸性ガスは大体消石灰に吸収されると思うのでここはまぁそんなに腐食されないでしょう。
吸収しきらなかったガスが出てきた場合に備えてチューブを局所排気装置のところまで誘導してあります。
これだけやっておけば有害ガスを吸い込むことはないでしょう。

さて、加熱です。
硫酸水素カリウムが融解してきました。


2時間ぐらい加熱していましたがあんまり分解している気配はありません。
回収用フラスコにわずかに液体が溜まっていますが、50g使ってこれしか出てこないということはほとんど分解してないと言っていいでしょう。
途中、ハンドバーナーも使ってダブルでひたすら熱しましたが全然分解しないようです。

溜まった液体は酸性ですが、紙につけても炭化せず。
おそらく希硫酸だと思うので加熱濃縮してみます。

濃縮すると0.5mLぐらいになってしまいました。
紙や砂糖に垂らしてみると炭化したので濃硫酸が出来たようです。

というわけで、硫酸水素カリウムの分解で硫酸ができることが分かりました。
ただし、ほとんどは分解しませんでした。
今回の器具ではおそらく火力が足りないのでしょう。

○おまけ
冷めた後の硫酸水素カリウム

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