今回はチャルコパイライト(黄銅鉱)から純銅を精錬してみようと思います。
これがチャルコパイライト
主成分はCuFeS₂
銅と鉄の鉱石です。
硫化物って黒いイメージだけどこれはなぜか色鮮やかで綺麗ですね。
工業的にはまずこれを粉砕して溶鉱炉で融かします。
今回は粉砕するのはキツそうなのでこのままバーナーで融かしてみます。
綺麗なのでもったいないけど。
溶岩だ…
よく見るとグツグツと気体が発生しています。
おそらく二酸化硫黄です。
有毒だし臭いのでドラフト内でやりましょう。
次のような反応が起こるようです。
4CuFeS₂+9O₂→2Cu₂S+2Fe₂O₃+6SO₂
続いてこの反応
Cu₂S+O₂→2Cu+SO₂
酸化銅じゃなくて銅ができるらしい。
よく分からんけど。
というわけでこの時点でもう銅ができてます。
冷ました後の様子がこちら。
よく見ると若干銅の色が…!
とはいえ酸化鉄も含まれているのでこれでは銅を取り出したとは言えません。
続いて電解精錬を行います。
工業的には、硫酸銅水溶液を電解液として粗銅を陽極、純銅を陰極にして電気分解をします。
すると陽極の粗銅が溶けてイオンになり、陰極で還元されて純銅が析出してきます。
この時鉄も溶けるけど鉄は水素よりイオン化傾向が大きいので析出しません。
つまりこの操作で銅だけを取り出すことができます。
これを銅の電解精錬と言います。
ではさっそく電解精錬をやっていきます。
電源は自作しました。
コンセントの100Vをダウントランスで16Vに下げてブリッジダイオードで整流している単純なものです。
脈流でも別にいいので平滑化はしてません。
陽極にさっきの融かした塊、陰極には銅線を使いました。
電解液は本来は硫酸銅水溶液ですが、それを使うと陰極に析出する銅が鉱石由来なのか硫酸銅由来なのか分からず、本当に鉱石から銅を取り出せたのか確認できないので今回は硫酸を使いました。
鉄と銅が溶け出してきて、液に色がついてきます。
嗅いでみたら臭ぇ!硫化物と酸が反応して硫化水素かなんか発生してるっぽいです。
もちろんドラフト内でやっています。
汚ね〜
なんかめっちゃ沈殿してるし液面になんか浮いてる。
液が汚すぎるので一旦濾過。
電源のトランスとダイオードがめっちゃ発熱してる。
あんまり負荷かけると電源が爆発しそうなので適当に切り上げ。
陰極に銅が出来てるかな…?
いや汚ねぇ!
なんか黒いけど銅なのか?
とりあえず何かしらが析出しているようです。
乾かしてみると…
銅の色だ…!
乾いたら量減っちゃったけど銅が出来ています。
電極から剥がしたのがこちら。
少ないけど鉱石から純銅を取り出すことに成功しました!
電解精錬を長くやればたくさん取れるかもしれないけど、そんなにたくさん作ってもしょうがないのでこれでヨシとします。
それでは〜

たむ
