皆さんこんにちは.キムワイパーです.
さてTwitterなどで予告していた通り,今回からは具体的な麻薬の種類を紹介していこうと思います.記念すべき第1回目はLSDについてです.前回の投稿をで書いたことを前提としていますので,もし読まれていなければ1度目を通していただけるとより理解できるかもしれません.
1.概要
LSDの正式名称はリゼルグ酸ジエチルアミド(Lysergic acid Diethylamide)です.LSDは化学的に合成できるのはもちろん麦角菌やソライロアサガオなどに含まれる麦角アルカロイドからも作ることができます.純粋なLSDは無色透明な結晶であるが製造時に液体として存在させることが可能です.この特徴から紙に液体のLSDをしみこませて密輸するペーパーアシッド法が使われてしまいます.LSDは麻薬の中でも極めて少量で症状が出てなおかつ長時間持続する性質を有しています.恐ろしい麻薬ですね…
2.構造と症状
LSDは次のような構造です.
構造中にインドール環を有しており,人間の神経伝達物質のセロトニン,ノルアドレナリン,ドーパミンに類似した構造をしています.そのためLSDを摂取すると細胞が神経伝達物質と勘違いをして取り込んでしまいます.取り込まれてしまうとどうなるかわかりますね.LSDが神経に侵入してその薬理作用を示してしまいます.ベニテングタケに含まれるイボテン酸の作用と似ていますね.
ではLSDを摂取するとどのような症状が現れてしまうでしょうか?
症状は幻覚や五感の変化が挙げられます.幻覚作用は視界がゆがんだり,音が見えてり,色の味が見えたりします.これは五感に変化が生じたため,起きていると考えられています.五感の変化が主な症状というよりは,五感の変化によって幻覚が現れていると考えてよいでしょう.LSDの症状は6時間から半日,長くて1週間続くこともあります.よく薬物中毒者が「視界が虹色になる」といいますがこれはLSD独特の症状です.視覚情報を集中攻撃していますからね.
3.歴史
LSDは1938年に化学者のアルバート・ホフマン(1906-2008)によって発見されました.彼はライ麦に寄生する麦角菌の産生する物質から薬品を生産していました.実験中に偶然に薬品が体の中に入って幻覚を引き起こすことを発見しました.彼は精神薬としての可能性を見つけて研究を行い,製薬にすることができました.しかし,そのあまりにも強い薬理作用と依存性で販売の中止,使用の制限が設けられました.やはり薬と毒は紙一重ですね.
4.終わりに
以上でLSDの紹介を終わります.いかがだったでしょうか.少しでも麻薬に対する知識とそれを使わないようにする理由が分かってもらえたら幸いです.次回も麻薬特集を書いていきます.
それでは
キムワイパー

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