どうも、おーたむです。
今回は入浴剤を作ってみたいと思います。
といっても普通の入浴剤ではありません。
作るのは「六一〇ハップ」です。
聞いたことがあるでしょうか?
これは、かつて販売されていた硫黄の香りがする入浴剤です。
まるで硫黄温泉に入っているような気分を自宅で楽しむことができる入浴剤ですが、現在は販売されていません。
なぜかと言うと…
実はこの六一〇ハップという入浴剤、あることをすると硫化水素を発生させることができます。
硫化水素は、吸い込めば死に至る猛毒ガス。
もちろん、普通の使い方をしていれば発生しないので問題ありません。
しかし、故意に硫化水素を発生させて自殺を図った者が現れ、硫化水素を発生させられることが知れ渡ると、これを用いた自殺が多発し社会問題に発展。
六一〇ハップは販売自粛措置となってしまいました。
その後販売の見通しが立たなくなりそのまま生産工場が停止。
六一〇ハップは幻の入浴剤となってしまいました。
というわけでもう買うことはできません。
ならば自分で作ってしまおうというのが今回の実験です。
もちろん硫化水素を発生させるようなことはしません。
それではやっていきましょう。
六一〇ハップの主成分はどうやら生石灰と硫黄のようです。
これを水に溶かせばほぼ完成。
他に微量の添加物がありますが、ほとんど入ってないので今回はナシでいきます。
さて、生石灰と硫黄を水に溶かすわけですが…
いや待て、溶けなくない?
生石灰とは酸化カルシウムのことです。
この物質は水と反応して水酸化カルシウムになります。
水酸化カルシウムは水100mlに0.17gしか溶けません。
そして硫黄は全く水に溶けないと言っていいレベル。
どうやって溶かすねん…!
と思ったのですが、調べてみると硫黄はアルカリには溶けて多硫化物塩とチオ硫酸塩になるようです。
なるほど、水酸化カルシウムがアルカリだから溶けるわけですね。
といっても水酸化カルシウムほとんど溶けないし…
本当に溶けるのか、にわかに信じがたいですがやってみることにします。
硫黄0.4gと生石灰0.14gを計りとりました。
水を適当に50mlぐらい入れる。
うん、こうなるよね。
生石灰は沈んで硫黄は浮いています。
本当はもっと濃いのですが溶ける気がしないので薄めで作っていきます。
このままでは絶対溶けないので加熱。
いや溶けるわけねーだろw
1ミリも溶けている気がしません。
とりあえずしばらく混ぜながら加熱していきます。暑い。
ちなみに六一〇ハップは濃い赤茶色です。
そんなん出来る気がしない…
ん?なんかさっきより黄色くなってない?
若干透明になってきたような気がしなくもない感じです。
30分ぐらい経過。
いや待て、明らかに色が濃くなってる。
溶けてますねこれ。
本当に溶けるんだ、すごい。
1時間ぐらい煮込んだらなんか茶色くなってきた!?
明らかに粉末が減ってきています。
これは、出来てますよ六一〇ハップ!
煮詰めすぎて量が減ってきたので水を足しました。
見てくださいこの色!
だいぶ薄めで作ったので濃い赤茶色ではないですがこれは完全に六一〇ハップの色です。
溶けたよマジで!
ろ過すると、なんと美しい琥珀色。
ほんのりと香る硫黄の香り。
硫黄の臭いは濃いとめっちゃ臭いですが、十分に薄ければ味わい深い香りでクセになります。
まるで温泉に来た気分です。
なんだか懐かしいような気持ちになります。
というわけで、見事に六一〇ハップを作ることに成功しました。
今回はだいぶ薄い液を作ったので溶けましたが、ホンモノの濃度で作ろうと思ったら相当な時間煮詰めないと作れない気がします。
う〜ん、それはちょっと勘弁かな。暑いし。
というわけで、今回はここまで〜。