今回は酢酸ナトリウムの過冷却実験をしていきます。
酢酸ナトリウムは容易に入手できる薬品ですが、今回は自分で合成しました。
カメラ屋の写真現像コーナーに売っている酢酸を重曹で中和することで酢酸ナトリウムを得ます。
酢酸が残っていると臭いし、重曹が残っていると過冷却の実験に悪影響を及ぼすので、計算してちょうど中和する量を混ぜます。
混ぜると大量の二酸化炭素が発生。
小さい容器で混ぜると確実にこぼれるので注意。
酢酸ナトリウム溶液ができたら、加熱濃縮します。
常温まで冷やして衝撃を与えると一気に結晶化します。
結晶化しない場合は溶液が薄いのでさらに濃縮してください。
逆に、加熱しても完全に溶け切らない場合は濃すぎるので薄めてください。
うまくいくとこのようになります。
コツは色々とありますが、まずは加熱して結晶を完全に溶かしましょう。
結晶が残っていると冷却したときにそれが核になって過冷却にならずに結晶化してしまいます。
また、冷ましている最中に溶液の表面から蒸発して、表面だけ液が濃くなって膜状の結晶ができてきます。
これも核になってしまうので失敗の原因です。
冷却中に溶液が蒸発しないように蓋をしておくと成功率が上がります。
ただし、密閉すると減圧して危険なのでやめましょう。
容器を触ってみて40℃以下ぐらいになっていて結晶化していなかったら期待大。
少量の結晶を置いておき、その上から勢いよく注ぐと一気に結晶化します。
核となる結晶を置いておかないと、注いだだけでは結晶化しない場合があります。
結晶化しなかったり、結晶がドロドロでゆるい場合は液が薄いので濃縮しましょう。
うまく結晶化させるのはなかなか難しいですが、何度でも溶かしてやり直せるので頑張ってコツを見つけてみてください。